2017年12月18日

決算期の変更に留意 法人税のほか消費税にも配慮

 不動産の譲渡により多額の売却益が見込まれるとき、法人税の節税策の一環として、決算期を変更し、不動産の売却から決算期末までの期間を長くすることにより時間を確保し、その期間に合理的な施策を講じることもままあります。

●決算期変更による基準期間のズレ
 決算期が変更されたことにより、消費税の納税義務の判定となる基準期間にズレが生じ、決算期変更前の基準期間であれば免税事業者(消費税の納税義務なし)であったものが、決算期変更後の基準期間では課税事業者になってしまうこともあります。
 なお、基準期間とは、その事業年度の前々事業年度をいい、当該事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、その事業年度は免税事業者になります。
 例えば、12月決算法人で、平成28年12月期の課税売上高1,000万円以下、平成29年12月期の課税売上高1,000万円超であった場合で、当期が平成30年12月期であれば、当期は免税事業者となります。
現状の12月期決算であれば、平成30年3月末引渡し予定の不動産があり、その売却価額3億円、内建物の売却価額が1億円だったとして、建物価額にある消費税については消費税を納める義務はありません。
 ところが、法人税の節税を意図して決算期を平成30年2月末に変更したとします。そして、予定通り平成30年3月末に不動産が引渡されれば、翌平成31年2月まで12か月間の時間が確保でき十分な節税策を講じることが可能となります。しかし、不動産の引渡しは、平成30年3月1日〜平成31年2月末の課税期間となり、当該事業年度の基準期間は平成29年12月期となることから、課税事業者に該当し消費税を納めることになってしまいます。

●特定期間に該当する場合も
 課税事業者又は免税事業者の判定は、原則、前々事業年度の課税売上高で判定するのですが、前期の課税期間前半6か月間、いわゆる、特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、当該期間の給与等支払額が1,000万円を超えていれば、その翌事業年度平成32年2月期も課税事業者になってしまいます。
 事業者に免税、課税となる期間がある場合には、決算期の変更により思わぬ事態を招来させることもありますので、法人税のみならず消費税にも配慮したいものです。

dailyコラムより
posted by MMIスタッフ at 17:42| Comment(0) | 日記